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ケネディ米保健福祉長官 WHO脱退を各国に呼び掛け 新たな国際保健機関の設立も提案

2025/05/21
更新: 2025/05/21

アメリカのロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉は5月20日、スイス・ジュネーブで開かれた世界保健機関(WHO)の年次総会にビデオメッセージを寄せ、WHOが官僚主義の肥大や機能不全に陥っていると強く批判した。その上で、アメリカのWHO脱退を「警鐘」として受け止めるよう各国に呼び掛け、同様の立場を取る国々と連携し、新たな国際保健機関の設立も視野に入れていることを明らかにした。

ケネディ長官はメッセージの中で、WHOが中国や製薬業界、ジェンダーイデオロギーから過度な影響を受けていると指摘し、「官僚主義の膨張や固定観念、利益相反、国際的な権力闘争に陥っている」と非難した。また、「アメリカがWHOから脱退する決断をしたのは、透明性や説明責任を果たすことができていない現状を重く見たためだ」と説明した。

さらにケネディ長官は、「われわれはすでに同じ考えを持つ国々と連絡を取り合っており、他の国々にもわれわれに加わることを検討するよう促している」と述べ、アメリカの脱退に同調する動きを各国に求めた。また、「機能不全に陥ったWHOに依存する必要はない。効率的で透明性があり、説明責任を果たす新たな機関を設立するか、既存の国際機関を見直すべきだ」と訴えた。

このビデオメッセージは、WHO総会で各国代表がスピーチを行う中で放送されたが、会場からは目立った反応はなく、多くの外交官や閣僚は沈黙を保ったという。

アメリカは伝統的にWHOの最大の資金拠出国であり、トランプ大統領が2期目の就任直後にWHO脱退を表明し、2024年・2025年分の分担金支払いも拒否している。これによりWHOは深刻な財政難に直面しており、今回の総会でもその対応策が主要議題となっている。

なお、同じ総会ではパンデミック対策を強化する新たな国際条約が全会一致で承認されたが、ケネディ厚生長官はこの条約への参加も正式に拒否する意向を示している。

今回のケネディ長官の呼び掛けに対し、現時点で他国が具体的にアメリカに同調する動きを見せているとの報道はない。今後の各国の対応が注目される。

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。