6月7日、中国・江蘇省常州市で起きた不可解な交通事故の映像が、SNS上で拡散され、話題となった。
命が助かったのは偶然か必然か―─と議論が湧くこの事故は、当時、雨が降る中で信号待ちしていた小型乗用車が、後方からやってきた大型トラックに追突され、その勢いで前方のトラックにも衝突した。前後から大型貨物車に挟まれるという絶体絶命の事態に陥り、乗用車が原形をとどめないほど潰されてしまったが、なぜか運転席だけが奇跡的に原型を保ち、中にいた運転手は無傷で生還した。
この強運の男は窓から這い出して、傘をさしながら落ち着いた様子で現場を後にする。その颯爽とした余裕な姿に、現場目撃者やネットユーザーは衝撃を受けたという。
中国のSNSでは「あの男はきっと前世でよほどの功徳を積んだんだろう」「先祖がきっと銀河系を救ったのだろう」といった冗談が聞こえたが、実は大いに真剣なコメントが相次いだのだ。
命が助かったことを「奇跡」と言ってしまうのは簡単だ。だが、人々がそこに「善行の報い」や「徳の力」を重ねたのは、理由のない偶然に意味を求める人間の本能でもある。だがそれは、案外真実に近いのかもしれない。―─強運は、偶然ではなく必然なのかもしれない。
(事故現場)
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