【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。
中国 「出社はするが、仕事はしない」 中国で広がる「働くフリ会社」の現実

中国の失業者は「仕事をしているふり」をする【動画あり】

2025/06/13
更新: 2025/06/13

「仕事に行ってくるね」と家を出るが、行き先は「職場」ではなく「働くフリの会社」──中国の若年層のあいだで、そんな現象が急速に広がっている。

1日あたり30元(約600円)を支払い、朝9時から夕方5時まで、オフィス空間で「就業中のフリ」をするこのビジネスは、北京・上海・成都・広東などの多くの都市で急増しており、SNSでも話題だ。

成都にある「働くフリの会社」の運営者は「うちは表向きは商社。でも、実際は大人の託児所です」と語る。まさに「給料が出ないことを除けば完璧なオフィスごっこ」である。

 

(「働くフリの会社」の実態)

この「会社」では、無料Wi-Fi・冷暖房・座席・コーヒー、偽の給料明細サービスが整っており、勤務中は、スマホやパソコンを自由に使える。しかも「社長」が仕事を「命じるフリ」までしてくれるのだが、その時はキッパリ断っても何の問題もなく、むしろ書類を社長の顔にたたきつける快感まで体験できるという。

背景にあるのは、言うまでもなく深刻な経済低迷と雇用不安だ。失業者は急増しているが、家族に打ち明けられない若者も多く、こうした「出勤のフリ」が体面維持の手段になった。また、商業用オフィスの空室率が全国的に悪化し、不動産投資家たちが「空きフロアの有効活用」として、こうした「疑似オフィス空間」をレンタル提供するケースも急増中だ。

いまや「自分で金を払って出社する時代」になった中国。体裁のために600円を払って出勤する現実に、社会の歪みと、若者たちの静かな絶望が滲んでいる。

 



中国で新たな業種出現 「働いているフリ」の会社

無料の公共図書館にはない「待遇」を提供する、「働いているフリ」の会社の実態とは?

 

(重慶市にある「働くフリの会社」)

(広東省東莞市にある「働くフリの会社」)

(山西省太原市にある「働くフリの会社」)

(上海市にある「働くフリの会社」)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!