春は「肝」を養う季節。肝を整えるには「気」と「血」をしっかり補うことが大切です。気血の巡りが良ければ、1年を健康に過ごせます。逆に乱れると、疲れやすく、だるさが抜けず、気温差や病気にも弱くなってしまいます。では、どう整えればよいのでしょうか?
血を補い、肝を整えるポイント
血を補うだけで気の巡りが悪いままだと、「血瘀(けつお)」という滞りが生じ、脾胃(消化器系)の働きにも影響が出て、かえって体が弱ってしまいます。
つまり「補う」だけでなく、「巡らせる」ことが重要です。陰陽のバランスが取れ、内臓の働きも整ってこそ、病気知らずの体づくりができます。
そのため、寒暖差のある春先には、気血を補いながらも、巡りを良くし、胃腸に負担をかけない食材を選ぶことが大切です。今回は、血を補い美容にも良い「大棗(ナツメ)」を使った、簡単なおやつとお茶をご紹介します。気血を補いながら巡りも助け、脾胃を温めて整えることができます。
① ナツメと黒糖の蒸しパン(気血を補い、胃腸を温める)

おすすめの人: 気血が不足し、手足が冷えやすく、春先に疲れやすい方
主な効能:
- ナツメ:気血を補い、心を落ち着ける
- 黒糖:体を温め、血を補い巡りを助ける。冷えや血の滞りを防ぐ
- 小麦粉:脾胃を整え、消化を助ける
材料(小さめの蒸しパン6個分):
- 小麦粉:200g
- ドライイースト:2g
- ぬるま湯:100ml
- ナツメ(種を取り刻んだもの):3個
- 黒糖:15g
作り方:
- 酵母をぬるま湯に溶かし、そのまま5分ほど置く。
- 小麦粉と黒糖を混ぜ、酵母水を加えてこね、なめらかな生地にする。
- 刻んだナツメを加えてさらにこね、約1時間、2倍の大きさになるまで一次発酵。
- 生地を適当な大きさに分けて丸め、20分ほど二次発酵させる。
- 蒸し器に入れて強火で15分蒸し、火を止めてそのまま5分蒸らせば完成。
特徴:
ふんわり甘く、胃腸に優しい温かい蒸しパン。血を補いながら湿気を溜めにくいのが魅力です。
※糖尿病の方は注意してください。
② 黒糖くずもち風わらび餅(気血を補い、脾胃を整える)

おすすめの人: 気血が不足し、胃腸が弱く、食欲が出にくい方
主な効能:
- ナツメ:気血を補い、体力をつける
- 黒糖:血の巡りを助け、冷えや疲れを緩和
- わらび粉:消化を助け、体の乾きを潤す。脂肪分が少なく、湿を溜めにくい
- きな粉:脾を元気にし、消化を助ける。たんぱく質も豊富
材料(2〜3人分):
- わらび粉:50g
- 水:200ml
- 黒糖:50g
- ナツメ(刻んだもの):3個
- きな粉:適量
作り方:
- ナツメ・黒糖・わらび粉・水をよく混ぜ、鍋に入れる
- 弱火で加熱しながらかき混ぜ、透明でとろみが出るまで火を入れる
- 水で濡らした容器に流し入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で30分冷やす
- 切り分けて、きな粉をかけて完成
特徴:
もちもち食感でほどよい甘さ。脾胃に優しく、春の養生にぴったり。生姜の風味が好きな方は、少量の生姜汁を加えるとより温かく、気血の巡りがさらに整います。※糖尿病の方は注意してください。
③ おすすめの飲み合わせ:バラとハトムギの養生茶

効能:
- 肝の働きを整え、気の巡りを助ける
- 血の滞りを防ぎ、湿気を取り除き脾を養う
- 甘いおやつの後でも、すっきりとした後味
- 寝つきが悪い方にもおすすめ
材料:
- バラの花(乾燥):3〜5輪
- ハトムギ:5〜6g
作り方:
熱湯を注いで5分ほど蒸らす
★お好みでクコの実やナツメのスライスを加えてもOK
注意点と調整アドバイス
バラの花には血の巡りを良くする作用があるため、妊娠中の方は医師と相談を。月経量が多い方も念のため医師に確認してください。より穏やかな代替としては、「赤小豆茶」がおすすめ。血を補い、心を落ち着けながら、湿を取り除く効果があり、体質に関係なく使いやすいお茶です。
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