中国外務省は12日、太平洋上空で中国共産党(中共)軍の戦闘機が海上自衛隊の哨戒機に異常接近した件について、「中国側の活動は国際法と国際慣例に完全に合致している」と主張し、日本側の偵察飛行こそが「海空の安全リスクの根本原因だ」と反論した。
この事案は6月7日と8日に太平洋上の公海上空で発生したもので、防衛省によれば、海上自衛隊のP-3C哨戒機に対し中共海軍空母「山東」の艦載機J-15が追尾し、約45メートルという極めて近い距離まで異常接近したうえ、前方を横切るなどの特異な飛行を繰り返したという。
防衛省は「偶発的な衝突を引き起こす恐れがある」として中国側に厳重に抗議し、再発防止を申し入れた。
中国外務省の林剣副報道局長は会見で「中国軍の活動は合法であり、日本側の行動が安全リスクの根本原因だ」と強調した。ANNは中国共産党系メディア「環球網」が「日本側が現場写真を使って煽り立てている」と主張したことを報じている。
国際法や国際慣例に照らすと、各国の軍用機が公海上空で他国艦艇などを監視すること自体は違法ではない。防衛省も「P-3C哨戒機は公海上空で監視活動を行っていた」と説明しており、実際に被害はなかったものの「異常接近は偶発的な衝突の危険を高める」としている。
一方で、中共軍機側の異常接近や危険な飛行は「安全航行の妨害」と見なされ、国際的なルール違反となることがある。今回のような中共軍機が40メートル台まで接近し、前方を横切る行為は、過去にも問題視されてきた。
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