議会の議員らは、中国共産党と関係を持つ極左団体が、米移民税関捜査局(ICE)の活動に対する暴動や、不法移民の強制送還に反対する全国規模の抗議活動の組織に関与していたとの疑惑について調査するよう求めている。
米全土に広がる暴力の激化
今月初め、ロサンゼルスでの反ICE抗議活動は暴動へと発展し、暴徒化した抗議者たちがICE職員や他の法執行機関と衝突した。これを受け、トランプ大統領は、カリフォルニア州兵と現役の海兵隊を市内に派遣した。
14日、ロサンゼルスでは反トランプを掲げる「ノー・キングス(No Kings)」抗議活動が暴力的になり、石やレンガが法執行官に投げつけられたとの報告を受け、ロサンゼルス市警察(LAPD)は再び退去命令を出した。オレゴン州ポートランドでは、「ノー・キングス」の抗議者たちがICEの施設の外で連邦当局と衝突し、ポートランド警察局が今回のデモは暴動だったと宣言した。複数の警官が負傷したと報告している。
また米連邦捜査局(FBI)は、化学物質の飛散や飛来物から身を守るために設計されたフェイスシールドを配布していたとされる男を含む複数の人物を逮捕・起訴した。
ロサンゼルスでの反ICE暴動では、参加者らが多数の外国の旗や共産主義の旗を掲げている様子が写真で確認された。ある暴動では、旧ソ連の旗が掲げられていた。
影に潜む中国共産党の影響
13日、下院共和党は富豪ネヴィル・シンガム氏に対する調査を開始した。シンガム氏は中国に住むアメリカ人実業家で、アメリカ国内の抗議グループ、特に極左の親ハマス団体やロサンゼルスでの反ICE暴動に関与した団体に資金提供しているとされている。
アナ・ポリーナ・ルナ下院議員(共和党)は、6月10日にX(旧Twitter)で、下院監視委員会がシンガム氏を召喚し、ロサンゼルス暴動および中共と関係する「共産主義団体」への資金提供について証言させる方針を発表した。

下院監視委員会はシンガム氏宛ての書簡の中で、同氏がマルクス主義の政治団体「社会主義解放党(PSL)」に資金提供していたと指摘。同団体は2008年以降、大統領候補を擁立してきた。
別の書簡では、下院監視委員会はパム・ボンディ司法長官宛てに、社会主義解放党がロサンゼルスでの暴動に関与していたとし、外国代理人登録法(FARA)違反または暴力の扇動の可能性について、この団体の関係を調査するよう司法省に要請した。
社会主義解放党はまた、ニューヨーク市を拠点とする非営利団体「ピープルズフォーラム」と提携している。ピープルズフォーラムは急進的な左翼活動を推進し、マルクス主義思想家を支援していることで知られている。2021年には、シンガム氏を「自身の会社を売却し、政治教育、文化、国際主義に焦点を当てた非営利団体に資産の大部分を寄付したマルクス主義の同志」と称賛していた。

4月16日、チャック・グラスリー上院議員(共和党)は、ボンディ司法長官およびFBIのカッシュ・パテル長官宛てに書簡を送り、シンガム氏および中共との関係から、ピープルズフォーラムが外国代理人登録法(FARA)に基づく登録を義務付けられるべきかどうか質問した。
書簡では、シンガム氏が「中国共産党(中共)のメディア機構と密接に連携し、世界中でそのプロパガンダを資金援助している」と指摘されている。グラスリー議員は司法省に対し、ピープルズフォーラムおよびその関係者が米国の政策に影響を及ぼそうとしているかどうか調査するよう要請した。
「進歩的なアメリカのためのアジア系アメリカ人(AAPA)」
13日、米メディアのデイリー・コーラーは、反ICE抗議活動における「進歩的なアメリカのためのアジア系アメリカ人(AAPA)」の関与を暴露する記事を掲載した。AAPAの会長エレイン・ペン氏は、ワシントンD.C.を拠点とする非営利団体「アメリカ華人連盟(UCA)」の役員も兼任している。このアメリカ華人連盟は、中国系アメリカ人向けのメンタルヘルスプログラムに対して米政府から資金提供を受けている。
ペン氏は、米国の移民取締りや公共政策に対する抗議活動の理由として、繰り返し「人種差別」を挙げている。同氏のキャンペーンは、中共中央委員会宣伝部が所有する英字新聞「チャイナ・デイリー」によって頻繁に宣伝されている。
デイリー・コーラーによると、アメリカ華人連盟の理事6人は以前、中共の統一戦線工作部で役職を務めていたことがある。また、同紙は、アメリカ華人連盟の設立時の名誉顧問委員会メンバー2人が、中共軍や国家安全部の情報機関に所属する公然たる中共メンバーであることを確認したと報じている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。