中国共産党はここ数年、ネット浄化を名目とした「清朗行動」を継続しており、言論の自由を巡る空気は年々窒息度を増している。
当局にとって「敏感日」とされる6月4日(天安門事件)前後は、特に厳重な監視対象となる。発信者たちはキーワードひとつでマークされ、投稿の削除、配信禁止、そしてアカウント凍結という手段が躊躇なく講じられる。
「せっかく築き上げたアカウントが突然制限されてしまい、本当に悲しい…」。そう語るのは、中国版TikTok「抖音(ドウイン)」で活動していた配信者の易(えき)さんだ。6月4日、天安門事件の36周年当日に「今日は敏感日だからネットにアクセスできない人も多いので自分の配信を見に来る人が少ない」と配信中に発言したところ、アカウントを封鎖されたという。

「天安門事件」を記念する6月4日前後、中国共産党(中共)政権は同国のインターネット規制を大幅に強化。数十万人以上のフォロワーを抱える人気配信者たちが、理由も告げられぬまま次々と姿を消した。
ネット管理当局はこれを「ネット秩序の整備」と正当化するが、市民の間では「影響力のある発信者を事前に排除するための粛清」との見方が広がっている。
しかし、当局がいくら国内で記憶を封殺しようとしても、その声は国境を越えて受け継がれている。カナダやイギリス、アメリカでは毎年、天安門事件の追悼集会が開催され、中共の暴政を糾弾する声が広がっている。

香港・民主化要求デモ「雨傘運動」の元学生指導者の1人・周永康(アレックス・チョウ)氏は「悲しみを力に変えるべきだ」と訴える。エポックタイムズが提唱する「中共との決別(党や関連組織から脱退/三退)」運動も、累計4億4700万人以上が参加するまでに広がりを見せている。
ネット上のアカウントは消されても、記憶は消せない。むしろ、封じ込められた言葉の重みこそが、自由の大切さを浮き彫りにしているのかもしれない。
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